企業になりすましたフィッシングメールの被害が止まらない。ヤマト運輸、佐川急便、Amazon、各銀行を騙るメールは日常になった。
では、日本企業のメールセキュリティ設定は実際にどうなっているのか。
本調査では、日本の .co.jp ドメイン 2,000社を対象に、公開 DNS レコードおよび Web サーバーの公開設定を調査した。対象は Tranco(ウェブサイトアクセス数ランキング)上位1,000社を「大企業」、それ以降の1,000社を「中小企業」として分類した。
調査手法はすべて公開情報の参照のみであり、いかなるシステムへの攻撃・侵入も行っていない。
| 指標 | 大企業 (1,000社) | 中小企業 (1,000社) | 全体 (2,000社) |
|---|---|---|---|
| DMARC 実効保護あり | 27.0% | 16.7% | 21.9% |
| DMARC 保護なし | 73.0% | 83.3% | 78.1% |
| SPF 設定あり | 94.3% | 92.3% | 93.3% |
| SPF 厳格(-all) | 18.1% | 16.0% | 17.1% |
| HTTPS 対応 | 52.1% | 59.5% | 55.8% |
| HSTS 設定あり | 9.6% | 9.8% | 9.7% |
| CSP 設定あり | 3.3% | 4.7% | 4.0% |
DMARC(Domain-based Message Authentication, Reporting and Conformance)は、自社ドメインを騙ったメールを受信側に拒否・隔離させる仕組みである。
| ポリシー | 動作 | 該当企業数 | 割合 |
|---|---|---|---|
reject | なりすましメールを拒否 | 222社 | 11.1% |
quarantine | なりすましメールを隔離 | 215社 | 10.8% |
none | 何もしない(監視のみ) | 1,125社 | 56.2% |
| 設定なし | DMARC レコード自体がない | 438社 | 21.9% |
reject または quarantine を設定している企業は全体の 21.9% にとどまる。
p=none の1,125社のうち:
| 大企業 | 中小企業 | |
|---|---|---|
| DMARC 実効保護あり | 27.0% | 16.7% |
| DMARC レコードなし | 15.1% | 28.7% |
| SPF 設定 | 意味 | 企業数 |
|---|---|---|
-all(厳格) | 許可外の送信を拒否 | 341社 (17.1%) |
~all(ソフト) | 許可外を「怪しい」とマーク | 1,493社 (74.7%) |
?all(中立) | 判断しない | 19社 (1.0%) |
| 設定なし | SPF レコードがない | 134社 (6.7%) |
| 項目 | 企業数 | 割合 |
|---|---|---|
| TLS 1.3 | 796社 | 39.8% |
| TLS 1.2 | 320社 | 16.0% |
| HTTPS 接続不可 | 884社 | 44.2% |
| ヘッダー | 設定企業数 | 割合 | 役割 |
|---|---|---|---|
| HSTS | 194社 | 9.7% | HTTPS強制 |
| CSP | 80社 | 4.0% | XSS緩和 |
HSTS を設定しているのは約10%、CSP に至っては4%。
サーバーソフトウェア名を返している企業:1,029社(51.5%)。バージョン番号まで公開:167社。
中小企業の DMARC 実効保護は16.7%。サプライチェーン攻撃では中小企業になりすまして大企業を狙うケースが増えている。
DNS レコードや Web サーバーの設定変更だけで改善できるものばかりである。まずは自社の DMARC ポリシーを確認してほしい。
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